“PC(ホスファチジルコリン)とDC(デオキシコール酸)の併用による脂肪溶解注射は、顔面や上腕、ブラファットの局所脂肪減少に有効であり、安全性も高い有用な非外科的治療法である。”
*タイトル
*著者、雑誌名、公開年
Mohan K. Thomas, James A. D’Silva, Ateesh J. Borole
Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery, 2018年10-12月号
- 研究背景と目的
外科的脂肪除去の代替として脂肪溶解注射が注目される中、PC(ホスファチジルコリン)とDC(デオキシコール酸)の併用による長期的効果と安全性を14年間・1269例で検証。
- 方法と結果
PC–DC製剤を平均4回注射し、8週後に評価。
顔面や上腕では顕著な効果が認められ、特に初回での改善が最大であった。
- 考察と結論
脂肪溶解注射は効果が蓄積されていくため、複数回の施術が推奨される。
正しい症例選定と手技が成功の鍵であり、今後の標準化が望まれる。
「顔まわりの脂肪、なんとかしたいけど手術はちょっと…」
そんな人に朗報!メスを使わない“注射で脂肪を減らす”方法があるって知ってましたか?
今回は、美容医療の世界でじわじわ注目を集めているPC(ホスファチジルコリン)とDC(デオキシコール酸)を使った「脂肪溶解注射」について、実際に1269人に施術した14年分のデータをもとにした論文をご紹介します!
注射で脂肪を落とすってちょっと未来っぽいけど、実はもう14年以上の実績がある治療法なんです。
気になっている方は、信頼できるクリニックで一度カウンセリングを受けてみるのもアリかも!

(B) 腕の脂肪溶解注射を6回行った後、腕の脂肪沈着が減少

研究背景 〜 PC-DC配合注射で脂肪溶解の効果たかまる? 〜
脂肪溶解注射による皮下脂肪の溶解は、過去 50 年にわたってヨーロッパや南米諸国で流行しています。
近年、デオキシコール酸 製剤 Kybella (Allergan USA, Inc.、カリフォルニア州アーバイン) が、あご下領域の輪郭形成でUSFDAの認可を受けました。
また、いくつかの研究で、ホスファチジルコリン (PC)、デオキシコール酸 (DC)、およびこれらとL-カルニチン、ビタミン E、コラーゲナーゼ、ヒアルロニダーゼ、イソプロテレノールなどの他の添加物との組み合わせの有効性が報告されています。
すべての研究で、白人集団において有望な結果が報告されています。
本研究は、14年間にわたって実際にインドと東南アジアの1269人にPC-DC配合注射を使った結果をまとめたものです。
今までの研究では特にアジア人のデータが少なかった中で、「この方法って本当に効くの?」という疑問に答えようとしたのが研究目的です。
研究方法 〜 14年間 1269例を対象にフォロー 〜
研究では、18~55歳の男女1269人にPC – DC配合注射を使って脂肪溶解を行いました。
成分:製剤5mL中に、PC 250mgとDC 100mgを含有
治療対象部位:顔(あご下・メーラーファット・フェイスライン)、上腕、腹部、背部ブラファット、側腹部、太もも、膝など
評価:満足度の問診、VASスコア(Visual Analog Scale)、最終施術から8週間後に写真撮影
1269例のうち、157 件は脂肪吸引後の修正として施術し、1112 件は初めての施術でした。
研究結果 〜 顔・腕・膝上・背中などで効果実感 〜

(B) 脂肪溶解注射4回後の画像では、あご下の脂肪が減少
効果を最も実感できたのは、顔(メーラー、フェイスライン、あご下)で、二の腕と膝上のエリアでも効果がみられました。
若い女性においては、腹部よりも背部ブラファットの効果が気に入られています。
複数回のセッションを受ける場合については、初回の施術が最も効果があるようでした。
副反応として、注入した部分にしこりが生じても、時間が経つとともに自然と改善していきました。
意図せずに筋肉に脂肪溶解液が注入された場合は、筋組織の壊死により強い痛みが生じるため注意です。

5回施術後にかなりの脂肪溶解効果がみとめられた

VASスコア5が治療に対する満足度のカットオフ値とみなされた
結論と考察 〜 顔への施術が最も満足度高い 〜
◎効果が大きかった部位:顔(あご、ほほ、フェイスライン)、上腕
◎効果がやや低かった部位:太もも、膝
◎最も改善が見られたのは1回目の施術(その後はゆるやかな変化)
副作用としては、一時的な腫れ・赤み・痛みが多く、特に注入量が3gを超えたケースで軽い下痢・だるさなどの全身症状も出たけど、ほとんどは数日で回復しました。
VAS(満足度スコア)5以上を付けた人の割合は、顔のあご下で女性83%、男性76%と高スコアでした。
本研究の限界としては、以下のものが挙げられます。
・無作為化比較試験ではない(つまり、他の治療との直接比較ができない)
・患者の自己申告による満足度評価が多いため、客観的な指標が不足している
・長期的な脂肪再蓄積のリスクや持続期間については評価されていない
・脂肪溶解注射の投与量や技術は施設ごとの判断に任されており標準化されていない
現代人の多くが「手軽に・安全に・バレずに痩せたい」と感じる中、脂肪溶解注射はまさにそのニーズにマッチします。
今後の更なる研究を期待しましょう。