ハムラ法によるクマ治療【徹底解説】施術の種類・メリットデメリットと最新動向

目の下のクマやたるみに悩む人々の間で、「ハムラ法」という美容整形手術が注目を集めています。

ハムラ法は、下まぶたの脂肪を単に取り除くのではなく再配置(脂肪移動)することで、膨らみとくぼみを同時に改善できる画期的なクマ治療です。

本記事では、ハムラ法の基本概要から、表ハムラ・裏ハムラといった施術の種類、それぞれのメリット・デメリット、SNSで話題になっている背景、さらに海外の研究に基づく有効性・安全性のエビデンスまでを徹底解説します。

目次

ハムラ法とは?他のクマ治療との違い

脂肪を目の下の凹みへ移動させた図
引用:Loeb R. Fat pad sliding and fat grafting for leveling lid depressions. Clin Plast Surg. 1981

ハムラ法とは、下まぶたの膨らんだ脂肪を除去せずに目の下のくぼみ部分に移動させて固定する美容外科手術です。

目の下の脂肪を「再配置」することで、突出した膨らみとその下の溝を同時に解消し、目元を平らで滑らかな状態に整えます。

脂肪を切り取らずに移動させるため、移動後も血行が保たれ、時間が経ってもその脂肪が体に吸収されて減ってしまう心配がない点も特徴です。

従来の単なる脱脂術では脂肪を取り除くことで一時的に膨らみを解消できますが、かえって目の下が凹みすぎてやつれた印象になったり、時間経過とともに再発したりするリスクがありました。

ハムラ法では自身の脂肪を「生きたまま」移動させてボリュームロスを補うため、術後に目の下がこけてしまう可能性は低めとされています。

他のクマ治療との比較

他のクマ治療法と比較してみましょう。

【ヒアルロン酸注入】はメスを使わない手軽な方法で、目の下の溝にヒアルロン酸フィラーを充填してクマを目立たなくする施術です。

ダウンタイムが短く即効性がありますが、効果は半年~1年程度と一時的で、ヒアルロン酸が青くみえるチンダル現象や凹凸といったリスクもあります。

また、ヒアルロン酸は膨らみそのものを取るわけではないため、脂肪の突出が強いケースでは根本解決になりません。

続いて、【脂肪注入】は、お腹や太ももなどから採取した自身の脂肪を目の下に注入する方法で、ある程度の長期効果が期待できます。

ただし定着率に個人差があり、複数回の施術が必要な場合もあります。

また、脂肪注入やフィラーでは目袋自体の除去や皮膚のたるみ改善はできないため、膨らみが顕著なケースでは不十分です。

【経結膜脱脂術(脱脂法)】と呼ばれる従来のクマ手術も存在します。

これは下まぶたの裏側(結膜側)から余分な眼窩脂肪を取り除くだけの方法で、膨らみの解消には有効ですがくぼみは改善されません

脱脂のみだと脂肪を除去した分、目の下に凹みができてクマが余計に目立つ「凹みクマ」になるリスクも指摘されています。

実際、「脱脂では得られない自然な仕上がりを求めてハムラ法を選ぶ」という声も多く、ハムラ法は膨らみと凹みを両面からアプローチできる点で他の治療と一線を画しています。

まとめると、ハムラ法は下まぶたの脂肪を有効活用して目元のボリュームバランスを整える先進的なクマ治療です。

他のクマ対策(ヒアルロン酸や脱脂のみの手術など)に比べ、効果が長持ちしやすく、目元の根本的な若返りが期待できる方法として注目されています。

クマ治療比較

ハムラ法の術式タイプ:表ハムラ法裏ハムラ法

表ハムラ法と裏ハムラ法の比較

ハムラ法には大きく分けて「表ハムラ法」と「裏ハムラ法」の2種類の術式があります。

いずれも脂肪再配置という基本コンセプトは同じですが、アプローチ方法(切開場所)や適応に違いがあります。

ここでは、それぞれの手術方法の特徴を詳しく説明します。

表ハムラ法とは

表ハムラ法は、下まぶたの皮膚側(まつ毛の直下)を外切開して行うアプローチです。

皮膚を切開して眼輪筋・眼窩隔膜を開き、突出した眼窩脂肪を露出させたうえで、それら脂肪を目の下のくぼみ(tear trough(TT) groove、palpebromalar groove(PMG))に薄い皮弁状に移動させて縫い留めます。

必要に応じて、余分な皮膚の切除や筋肉・靭帯の処理も同時に行えるため、脂肪再配置と同時に下まぶたのたるみ・シワも改善できる点がメリットです。

いわば下眼瞼のたるみ取り手術(下眼瞼除皺術)と脂肪再配置を組み合わせた総合的な治療と言えるでしょう。

表ハムラ法では皮膚を切開するため皮膚表面にわずかな傷跡が残るデメリットがあります。

また目の下の皮膚を切るため、施術後に涙袋が減るケースがあると報告されています。

ごくまれに外科的操作により下まぶたが外向きに反転する外反(下眼瞼外反症)や結膜の腫れが起きるリスクもあります。

表ハムラ法は余った皮膚も取り除けるため50代以上で皮膚のたるみが強い方や、目袋の膨らみと溝が非常に深い方に向いています。

裏ハムラ法とは

裏ハムラ法は、下まぶたの裏側(結膜側)から切開するアプローチです。

下まぶたの粘膜を数ミリ切開し、そこから眼窩脂肪にアプローチして膨らみの原因である脂肪を引き出し、目の下のくぼみ部分へと滑らせて縫合固定します。

皮膚の表面を切らないため外見上の傷跡は一切わかりません。

裏ハムラ法の大きなメリットは、皮膚を切らないので下まぶたの構造を温存しやすく、涙袋のふくらみもほぼ維持できる点です。

皮膚切開を伴わないため下まつ毛の生え際が下がるような外反リスクも少ないとされています。

一方でデメリットとしては、皮膚の余り(たるみ)に対処できないためたるみが強い人には適さないこと、そして手術の難易度が高いことが挙げられます。

皮膚にメスを入れない分、手術視野や操作が制限されるため高い技術力が要求されます。

適応としては、裏ハムラ法は40代前半までの比較的若い方や、下まぶたのハリがまだ保たれていて皮膚余りが少ない方、そして「傷跡を残したくない」「自然な涙袋をキープしたい」という方に向いています。

逆に50代以上で皮膚のたるみが大きい場合や、余分な皮膚ごとしっかり取り除きたいケースでは裏ハムラでは不十分で、表ハムラ法が推奨されます。

表ハムラ法イラスト
引用:https://plasticsurgerykey.com/lower-eyelid-blepharoplasty-4/

表ハムラ法と裏ハムラ法のメリット・デメリット

それぞれの術式について、利点と欠点を整理してみましょう。

患者さんの年齢やお悩みの程度によって適した方法は異なりますが、ダウンタイム許容度や傷跡の有無、改善したいポイントに応じて選択の指標になります。

表ハムラ法のメリット・デメリット

  • メリット(表ハムラ法): 

    下まぶたの脂肪再配置に加えて余った皮膚の切除が可能なため、目の下のたるみや小ジワも同時に改善できます。

    脂肪を移動して膨らみと凹みをフラットにするため、術後に目の下が凹みすぎる心配が少なく、根治的にクマを解消できる点が魅力です。

    皮膚のたるみ・眼窩脂肪の膨らみ・ティアトラフやPMGによる凹みの全てに対応でき、特に高齢者で適応のケースが多くなります。
  • デメリット(表ハムラ法): 

    皮膚を切開するため傷跡が残るリスクは避けられません。

    術後のダウンタイムは比較的長めで、腫れや内出血が強く出る場合もあります。

    また、外科操作により下まぶたの外反(下まぶたが下に引っぱられる状態)が起こるリスクも報告されています。

    さらに表ハムラ法では皮下組織を剥離する影響で涙袋が薄くなる可能性があり、笑った時の可愛らしい涙袋を重視する人にはデメリットとなり得ます。

裏ハムラ法のメリット・デメリット

  • メリット(裏ハムラ法):

    皮膚表面に傷跡が一切残らないため、手術痕が心配な方でも安心です。

    また下まぶたの構造(靭帯や筋肉)を切開しないので形態変化が少なく、涙袋の形を温存しながらクマだけを取ることが可能です。

    術後の腫れ・内出血も表ハムラ法と比べると軽度なことが多いです。

    さらに、裏ハムラ法では眼窩隔膜を大きく切開しないため下まぶたの支持構造が保たれ、術後の下まぶた下垂や外反のリスクが低い点も安全性上のメリットです。
  • デメリット(裏ハムラ法): 

    皮膚の余りやたるみを解消できないため、肌のたるみが強い方では脂肪を移動してもシワやたるみが残ってしまいます。

    そのため年齢が高い方や皮膚弾力が低下した方には不向きです。

    また、手術難易度が高く熟練した技術を要するため、執刀医の技量によって仕上がりに差が出やすい側面があります。

    経験の浅い医師による施術では「膨らみやクマが十分改善されない」「脂肪の再配置が不適切で凸凹ができた」等のトラブル例も報告されており、医師を選ばないと後悔するケースもあると指摘されています。

    さらに裏ハムラ法では視野が狭い分、手術時間が長引く傾向があり(2~3時間程度)、患者への負担や術者の集中力維持といった点で難しさがあります。

以上のように、表ハムラ法・裏ハムラ法それぞれに長所短所があります。

どちらが「良い・悪い」ではなく、患者さん個々の目元の状態や望む仕上がり、ダウンタイムの許容度によって適した術式は異なります。

カウンセリングで医師と十分に相談し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

ハムラ法がSNSやYouTubeで話題になる背景

ここ数年でハムラ法はSNSや動画サイトでも大きな注目を集めるようになりました。

その背景には有名人やインフルエンサーたちの発信があります。

例えば、美容系インフルエンサーのRちゃんは湘南美容クリニックで目の下のクマ取り手術(ハムラ法)を受け、その劇的ビフォーアフターを自身のSNSで公開して話題になりました。

また、ある美容クリニックのチャンネルでは「目の下のクマ治療 当日からダウンタイム2ヶ月間完全密着」と題して、

インフルエンサーのキム・ハンナさんが裏ハムラ法を受けた際の経過を追った動画が投稿され、術直後から2ヶ月後までの変化を包み隠さず紹介しています。

再生回数や視聴者からのコメントを見ると、多くの人がクマ治療のリアルな体験記に関心を寄せていることが分かります。

さらに、美容系YouTuberの「うき本さんち」さんは自身のチャンネルで裏ハムラ法によるクマ取り手術を受ける様子を公開しました。

20代であるうき本さんちはクマのせいで30代に見られることが多かったそうですが、裏ハムラ法の施術によって術直後からその悩みが解消されたとのことです。

実際の手術シーンや術後経過を「脱脂のみと何が違うのか?」という切り口で紹介する動画内容が話題を呼び、若年層にもハムラ法の効果やダウンタイムについて理解が深まったようです。

このように、SNS上の体験談や症例写真の拡散がハムラ法人気を後押ししています。

Amebaブログでも「#ハムラ法」「#裏ハムラ」といったハッシュタグ付きの記事が900件以上投稿されており、美容マニア達の間で情報交換が活発に行われている状況です。

特に術後○ヶ月の経過写真や、ダウンタイム中に工夫したことなどリアルな声が共有されることで、これから施術を検討している人にとって有益な情報源となっています。

一方で、SNSでの盛り上がりには注意点もあります。症例写真の中には照明やメイクで実際より良く見せているものも存在し、「SNSで派手に宣伝している自称名医と実際の手術技量は比例しない」と指摘する専門家もいます。

また「ハムラ法を受けたのに再発した」といった噂が飛び交うこともありますが、これには施術を行った医師の技術差や、患者本人の状態(皮膚のたるみが強かったのに裏ハムラを選んでしまった等)が影響しているケースが多いようです。

SNSの情報は玉石混交なので、信頼できる医療機関の発信やエビデンスに基づいて判断することが大切です。

海外の研究に見るハムラ法の有効性・安全性【エビデンス】

目の下〜頬までの若々しい形とは
引用:Hamra S. The role of the septal reset in creating a youthful eyelid cheek complex in facial rejuvenation. Plast Reconstr Surg. 2004

ハムラ法(眼窩脂肪再配置術)は、その有効性と安全性について海外の論文や研究でも高く評価されています。

もともとこの手法は1990年代に米国の形成外科医Dr.サム・ハムラ氏によって体系化されたもので、1995年に発表された論文で下まぶたの靭帯を開放して眼窩脂肪を温存する画期的なテクニック(Arcus Marginalis Release)として紹介されました。

ハムラ氏の手法は従来の「余分な脂肪を単に切除する下眼瞼形成術」に比べて、目の下の溝(ティアトラフ)を埋めながら若々しい眼頬部を再構築できる点で大きな進歩とされています。

2000年代にはハムラ法をさらに改良した「Septal Reset法」も登場し、下まぶたから頬にかけての滑らかな境界を作る技術として確立されました。

これらの手法は学術的にも評価が高く、現在では世界中の形成外科医のスタンダードとなりつつあります。

実際、近年の国際アンケート調査によると下眼瞼の若返り手術で約80%の形成外科医が脂肪の再配置(移動)を行っているとの報告があります。

これは、従来の脂肪除去のみの手術に比べて再配置する手法のほうが仕上がりの自然さや長期的な満足度で優れているためです。

脂肪再配置により目の下と頬の境界が滑らかになり、若々しい立体感が戻ることで患者満足度が高く、再発もしにくいとされています。

安全性の面でも、ハムラ法は適切な手術計画のもと行えば合併症の発生率は低いことが知られています。

下眼瞼の美容手術全般では、術後に起こり得る合併症として内出血(青あざ)や結膜の一時的な浮腫(充血)、軽度の左右差などが挙げられますが、これらは比較的まれで一過性であり、通常は時間経過とともに自然軽快します。

しかしながら、ハムラ法特有のリスクがゼロというわけではありません。

海外の研究では、脂肪再配置時に注意すべき合併症として、

下直筋・下斜筋など眼球周囲の筋にダメージを与えた場合の複視(物が二重に見える症状)や、移動した脂肪がしこり化する脂肪肉芽腫、長引く浮腫、皮膚表面の凹凸不正などが起こり得ると報告されています。

こうしたトラブルは手術時の細心の注意と高度な技術でほぼ防ぐことが可能ですが、裏ハムラ法のように視野が限られる手技では繊細な操作が要求されるでしょう。

安全に良好な結果を得るため、海外の文献でも強調されているのは適切な患者選択と精密な術前評価です。

【皮膚のたるみ具合・眼球の突出度(オービタルベクター)・外反のリスク因子】などを見極め、若く皮膚の余りが少ない患者には経結膜アプローチ、皮膚に余剰が多い場合は経皮アプローチを選択するといった手術法の使い分けが推奨されています。

実際、オービタルベクター(目の突出具合)まで考慮して手術法を選ぶと合併症が減少したとの研究結果もあり、患者一人ひとりの解剖学的特徴に合わせた施術計画が重要です。

総じて、ハムラ法は海外論文でも有効性・安全性ともに裏付けられた信頼性の高い施術だと言えます。

その恩恵を十分に受けるためには、豊富な症例経験を持つ形成外科専門医のもとで正しい適応判断のうえ施術を受けることが肝要です。

最新の知見と技術を踏まえたハムラ法によって、目の下のクマに悩む多くの方が明るく若々しい印象を取り戻しています。

まとめ

ハムラ法によるクマ治療は、下まぶたの脂肪を「捨てずに活かす」ことで膨らみとくぼみを同時解消する先進的な美容整形手術です。

表ハムラ法(皮膚切開)と裏ハムラ法(結膜切開)の2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがありますが、自分の状態やニーズに合った方法を選べば高い満足度と持続効果が得られます。

近年はSNSやYouTubeで多くの症例や体験談が共有され、その効果とダウンタイムのリアルな実情が広く知られるようになりました。

信頼性の高い出典や海外の研究】でもハムラ法の有効性と安全性は立証されており、現在では世界中の美容外科医が採用する主流の施術となっています。

大切なのは、口コミや流行に左右されすぎず確かな知識と専門医の診断に基づいて判断することです。

クマに悩んでいる方はぜひ一度、経験豊富な医師に相談し、自分にとって最適な治療法を検討してみてください。

ハムラ法は難易度の高い手術ではありますが、適切に行えば驚くほど自然で若々しい目元を取り戻せる可能性を秘めています。

信頼できるエビデンスと専門家の力を味方につけて、コンプレックス解消への一歩を踏み出しましょう。

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この記事を書いた人

監修者:mio 〜美容のせんせい〜

美容皮膚科・美容外科を専門とする現役医師。4年以上にわたり、都内や地方都市の美容クリニックで美肌治療やリフトアップ施術を担当。論文ベースの確かな情報をもとに、読者が安心して美容医療を選べるよう発信しています。

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