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【部分痩せの論文】デオキシコール酸で二の腕の脂肪はどれだけ減る?2025年2月の論文

デオキシコール酸濃度 5 mg/mL (0.5%)2.5 mg/mL (0.25%)はどちらも二の腕の皮下脂肪の厚みを減らす。”

*タイトル

The Effect of Diluted Deoxycholic Acid on Arm Fat Reduction: Evaluation of Its Potential in Minimally Invasive Fat Loss Treatment

*著者、雑誌名、公開年

著者:Ji Yeon Hong ほか
雑誌名:Journal of Cosmetic Dermatology
公開年:2025年​

この記事のポイント
  • 研究背景と目的
    侵襲が少ない痩身治療として注目される、デオキシコール酸(DCA)の有効濃度と痛みを評価するため、2.5 mg/mLおよび 5 mg/mLの希釈濃度で効果と安全性を検討した。
  • 方法と結果
    健康な成人女性4名に3回の希釈デオキシコール酸注射を実施した。

    20週後の皮下脂肪厚5 mg/mL群で7.49 mm2.5 mg/mL群で4.68 mm減少

    二の腕周囲径の変化は少なく、痛みは濃度に比例して増加した。
  • 考察と結論
    いずれの濃度も皮下脂肪減少には効果があるが、腕のサイズや満足度には限界があり、

    他の施術との併用や痛み耐性・コストに応じた治療選択が求められる。

最近、二の腕のたるみや脂肪が気になる人が増えていて、メスを使わずにスッキリ見せたいというニーズも高まっています。

脂肪を溶かす働きがある「デオキシコール酸(DCA)」は、あご下などの狭い範囲に使われることが多いのですが、広い範囲(たとえば上腕)にはコストも痛みも大きくなりがち。

そこで、この研究では「もっと薄めたDCAでも効果あるのでは?」というアイディアから、2.5 mg/mLと5 mg/mLに希釈して、効果や安全性を確かめることにしました。

※ ちなみに美容クリニックでよく使用されているカベリン注射は5mg/mLの濃度です!

希釈デオキシコール酸注射による治療前と治療後 20 週間の左腕の臨床写真。(A) 5 mg/mL 濃度、(B) 2.5 mg/mL 濃度
目次

研究背景 〜 デオキシコール酸の有効濃度は? 〜

近年、非侵襲的な部分痩せ治療の需要が高まるにつれて、局所的な脂肪をターゲットとする脂肪冷却高密度焦点式超音波(HIFU)高周波注射による脂肪溶解などのさまざまな技術が開発されています。

脂肪溶解注射によく用いられるデオキシコール酸(DCA)は、腸内微生物によって変換される二次胆汁酸であり、食事性脂肪の乳化などに関与しています。

皮下脂肪に注入されると、DCAは脂肪細胞の細胞膜を破壊し、細胞溶解を引き起こします

続いて、マクロファージが残りの細胞および脂質残骸を除去し、続いて線維芽細胞を介した線維性隔壁の肥厚が起こり、コラーゲン新生を示します。

現在、10 mg/mLの濃度のDCAは、あご下脂肪減少のための脂肪分解剤としてFDAに承認されています。

最近の研究では、さまざまな体の部位での局所的な脂肪減少に対するDCA注射の有効性が実証されています。

DCA注射によるあご下脂肪減少などの事例から判断すると、上腕部の脂肪減少にも効果が期待できるはずです。

しかし、上腕部はオトガイ下領域よりも広いためより多くの薬剤が必要となり、コストを考えるとより低い濃度でも効果がでることが望ましいです。

本研究では、二の腕の美容的な脂肪減少を求める成人患者を対象に、希釈した DCA 注射による上腕部の脂肪減少の有効性、安全性、有効濃度を評価することを目的としています。

研究方法 〜 韓国人女性4名の二の腕に注入 〜

19~65歳の健康な韓国人女性4人を対象に、2.5 mg/mLまたは5 mg/mLに薄めたデオキシコール酸(DCA)左右の二の腕に注射しました。

1回10mL(両腕合計)を3回、4週間おきに注射し、治療前と治療後、4・8・12・20週目にデータを収集しています。

具体的には、20 mgのDCA (V-OLET、HanAll Biopharma、韓国ソウル) を含む各バイアルは、生理食塩水で 1:1 または 1:3 の比率で希釈され、それぞれ5 mg/mL と2.5 mg/mLの濃度にしました。

上腕の背面、肩峰と肘頭の中心から上下4cmの位置に、1cm間隔で均等に25点をマークした後、

各参加者は31Gの針を使用して、1点あたり0.2mL、両腕で合計10mLの希釈V-OLET(5mg/mLまたは2.5mg/mL)を皮下脂肪に投与。

効果は、腕の周囲径や皮下脂肪の厚み(エコーで測定)痛みの感じ方(0~10の痛みスケール)満足度(7段階評価)でチェック。写真や超音波での比較も行いました。

研究結果 〜 5ヶ月で皮下脂肪が約7mm減少 〜

皮下脂肪の厚みは、デオキシコール酸5 mg/mLで平均7.49mm減少2.5 mg/mLで4.68mm減少と、どちらもある程度効果がありました。

ただ、腕の周囲径はほとんど変わりませんでした(5 mg/mLで1.55mm、2.5 mg/mLで1.1mm減)。

痛みDCA 5 mg/mLで強く(初回注射後に最大10点)、2.5 mg/mLでは少し軽め(最大6.5点)でした。

満足度はどちらもイマイチで、5 mg/mLで「やや不満(3)」2.5 mg/mLで「完全に不満(1)」でした。

(A) 腕の周囲径と (B) 皮下脂肪厚の変化を、希釈デオキシコール酸注射の開始後、ベースラインと4〜20週後で測定
5 mg/mL 希釈デオキシコール酸注射による治療前 (A) と治療 20 週間後 (B) の二の腕 超音波画像。

結論と考察 〜 希釈デオキシコール酸でコスパよく脂肪を減らす 〜

本研究では、希釈したデオキシコール酸(DCA) 注射(5 mg/mLおよび2.5 mg/mL)は、二の腕の脂肪をある程度減らす効果があり、

高濃度のDCAよりも希釈したDCAの方が痛みが軽減される可能性も示唆されました。

DCA の両濃度 (5 mg/mL および 2.5 mg/mL) において、超音波検査で皮下脂肪厚の顕著な減少が観察され、

その効果は20週目、すなわち最後の注射から8週間後まで持続しました。

とはいえ、腕のサイズ変化や満足度は小さく、単独での施術には限界があります。

併用治療の例としては、ホスファチジルコリンはDCAとの組み合わせ皮下脂肪を減らす効果が向上することが実証されています。

グリセロリン脂質であるホスファチジルコリンはリパーゼを刺激し、トリグリセリドを脂肪酸とグリセロールに分解してくれます。

この研究の限界としては、被験者が4人とかなり少なく、しかもBMIが高くない人ばかりだったので、結果の汎用性は低めです。

また、プラセボ(偽薬)との比較がないため、本当にDCAが効いたのか、他の要因もあったのかは完全にはわかりません。

今後は、より多くの人を対象にしたランダム化比較試験が必要です。

とはいえ、美容医療において、手術なしで体を引き締めたい人が増えている中で、DCAのような注射治療は魅力的です。

この研究は「高コスト・強い痛み」だったDCAの敷居を下げる可能性がある点で、幅広い層に届く治療法の一助となる可能性があります。

DCA投与の20週目に腕周囲径と皮下脂肪の厚さを測定
疼痛強度は、投与直後/2 回目の投与の1週間後/3回目の投与の1週間後 の3つの時点で評価
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