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【HIFU・RFの論文】HIFUとRF治療の併用で美肌効果アップ?!

HIFUとRF治療の併用で、特に毛穴の縮小、保水力の向上、弾力性の増加が顕著にみられた。

*タイトル

“Efficacy of radiofrequency combined with single-dot ultrasound efficacy for skin rejuvenation: A non-randomized split-face trial with blinded response evaluation”

*著者、雑誌名、公開年

JiWon Byun et al., Skin Research and Technology, 2023

この記事のポイント
  • 研究背景と目的
    HIFUとRFはそれぞれ非侵襲的な肌の若返り治療として知られていますが、その一緒に施術した時の効果は未検証でした。本研究は、新型デバイスを用い、HIFU単独治療HIFUとRFの併用治療を比較し、その相乗効果を検証しました。
  • 方法と結果
    韓国人成人22名を対象に、片側顔面にHIFU単独治療、もう片側にHIFUとRF併用治療を実施。併用治療は、毛穴数、肌の弾力・保水力、目元のシワにおいて有意な改善を示し、HIFU単独よりも優れた効果が確認されました。
  • 考察と結論
    HIFUとRFの併用は、それぞれが異なる皮膚層に働きかけることで相乗効果を生み、スキンリジュビネーションにおいて高い有効性を示しました。本デバイスは、曲面部分にも対応可能で、幅広い肌悩みに適用できることが期待されます。

こんにちは!皆さん、HIFURF(高周波)という美容施術を聞いたことありますか?

どちらも肌表面を傷つけず、超音波やラジオ波を用いて皮膚内部に熱を届けることで、たるみ改善肌質改善をもたらす美容施術です。

HIFUは幅広い年齢層から人気で、たるみ改善の治療でよく使われます。

近年だと、RF施術も人気が高まっていて、サーマクールをはじめ、オリジオ・ボルニューマ・デンシティ・ポテンツァダイヤモンドチップなど多くの製品が出てきました。

どちらの施術もたるみの改善目的に使われることがありますが、併用治療を推奨するクリニックも増えてきています。

今回紹介する2023年の韓国の小規模研究では、HIFU単独治療とHIFU+RF併用治療の効果を調査しています。

最近クリニックで流行っているHIFUとRF併用治療は本当に意味があるのか?気になる方はぜひご覧ください!

目次

研究背景 〜HIFUとRF併用に関する研究は少ない〜

高密度焦点式超音波(HIFU)とラジオ波(RF)は、それぞれ非侵襲的な肌の若返り施術として広く利用されています。

どちらもたるみ治療として紹介されることが多いですが、HIFUは主に皮膚の深層でのコラーゲン生成を促し、RFは皮膚の浅い層での保水力向上や弾力性向上に役立つとされています。

しかし、これらの併用による相乗効果はこれまで十分に研究されていませんでした。

本研究では、HIFUとRFを組み合わせた治療の効果を新しいプローブを用いて評価しました。

直径2.5cmの円形プローブでHIFUとRFの両方照射可能な装置。
(A) 装置プローブ。ハンドピースの中央から超音波がドットとして照射され、周りからRFエネルギーが放射されます。
(B) 2MHz, 80msでバイポーラRFを、7HzでHIFUを交互に照射します。

研究方法 〜左顔HIFUだけ・右顔HIFU+RFで比較〜

本研究は、22名の韓国人成人(平均年齢42.8歳、30~65歳の範囲)を対象に、「スプリットフェイス法」で行われました。

参加者の左側顔面には高密度焦点式超音波(HIFU)のみを使用し、右側顔面にはHIFUとバイポーラ型ラジオ波(RF)を組み合わせた治療を行いました。

効果の測定は治療直後、4週後、8週後に行われ、パラメータの変化は評価指標によって定量化されました。

新型デバイス(V-RO, NEWDOUBLO, Hironic Corp.、Ltd.、韓国)は、直径2.5cmの円形プローブを用い、HIFUとRFを交互に照射する設計となっています。

治療パラメータは以下の通りです:

  • HIFUの設定
    • 深度:1.5mm(0.15J)、3.0mm(0.35J)、4.5mm(1.1J)
    • 照射数:片側顔面あたり4000ドット
  • RFの設定
    • 出力:12.00~13.70W
    • 周波数:2MHz
    • パルス持続時間:80ms

治療後の効果は、以下の方法で評価されました:

  1. 毛穴:数、体積、密度
  2. 肌の弾力性:2mmおよび8mmの深度で測定
  3. シワ:目元の深さ
  4. 保水力:組織誘電率(TDC)
  5. その他:皮膚密度やリフト効果

研究結果 〜毛穴・肌の弾力・保水力がさらにアップ〜

(A) HIFU のみで治療した左顔と HIFU と RF を組み合わせて治療した右顔 (症例 14) の毛穴数の改善。
(B) HIFU のみで治療した左顔と HIFU と RF を組み合わせて治療した右顔 (症例 19) の目のしわの改善。
(C) HIFU のみで治療した左顔と HIFU と RF を組み合わせて治療した右顔 (症例 17) のほうれい線の改善。
(D) HIFU のみで治療した左顔と HIFU と RF を組み合わせて治療した右顔 (症例 15) の平均誘電率として肌の保湿の改善を測定した。

研究の結果として、HIFUとRFの併用は、HIFU単独よりも幅広い改善効果をもたらすことが確認され

特に毛穴の縮小、保水力の向上、弾力性の増加が顕著に現れました。

  • 毛穴数の減少:併用治療で、毛穴数が4週後に44%減少(HIFU単独では8週後に14%減少)
  • 肌の弾力性向上(深度2mm):併用治療で、弾力が8週後に+25%アップ(HIFU単独では+16%)
  • シワの改善:併用治療で目元のシワ深度が8週後に12%減少(HIFU単独で8%減少)
  • 肌の保水力アップ:併用治療側でTDC(組織誘電率)が8週後に35%増加(HIFU単独では19%増加)

以下にそれぞれの項目についてもう少し詳しく見ていきます。

毛穴の改善

  • 毛穴の数:HIFU単独治療で平均107.9個が92.2個(8週後に14%減少)に減少。HIFU+RF併用治療では、平均112.7個から88.4個(4週後に44%減少)に減少。
  • 毛穴の体積:併用治療では初期値0.00130mm³が8週後には0.00110mm³と有意に減少。

左頬(HIFU単独)では、平均毛穴容積と毛穴数の値はHIFU治療後に有意に改善しましたが、平均毛穴面積、毛穴密度、毛穴の最大深さ、総毛穴容積、粗さ平均(Ra)の値はHIFU治療後に有意に改善しませんでした。

一方、右頬(HIFU+RF)では、平均毛穴容積、平均毛穴面積、毛穴密度、毛穴数、最大深さ、総毛穴容積、Ra値のすべてがRF治療後に有意に改善しました。

肌の弾力性

  • 深度2mm:HIFU単独で0.5767から0.6736(8週後に16%増加)、併用治療では0.5963から0.7479(25%増加)。
  • 深度8mm:HIFU単独で0.7060から0.7923(8週後に12%増加)、併用治療では0.7303から0.8577(17%増加)。

スキンスキャナーのR2およびR8プローブを使用して、深さ2mmおよび8 mmの皮膚弾力性の改善を評価しました

結果は、治療後に両頬の弾力性が著しく改善したことを示し、8週間後には右頬(HIFU+RF)の方が左頬(HIFUのみ)よりも大きな改善を示しました

深さ2mmの皮膚弾力性は4週間後にアップし、8週目の終わりまで改善が続きました。

また、8週間後、右頬の深さ8mmの皮膚弾力性は左頬よりも有意に高かったことが分かりました。

シワの深さ

  • 目元のシワ:平均深さがHIFU単独で8%減少、併用治療で12%減少(8週後)。

目のしわの深さの改善を評価したところ、治療後に両目の周りのしわの平均深さが明らかに減少したことが示され、治療後4週間および8週間経ってもこの効果が維持されていました。

特に、HIFUとRFを組み合わせた治療の4週間後と8週間後には、目のしわの平均深さがHIFU単独と比べて有意に減少しました。

肌の保水力

  • TDC(組織誘電率)
    • HIFU単独:23.02から27.46(8週後に19%増加)
    • 併用治療:23.12から31.18(35%増加)

皮膚の保水力を評価するために、皮膚の誘電率組織誘電率(TDC)を測定しました。

結果は、治療直後、4週間後、8週間後に両頬の誘電率が大幅に増加しました。

さらに、右頬(HIFU+RF)は、左頬(HIFU単独)と比較して誘電率が有意に改善し、RF治療は皮膚の保水力を改善するのに効果的であることが示唆されました。

リフトアップ効果

顔面リフトアップの有効性を評価するために、目のたるみ角度、ほうれい線の平均深さ、頬のたるみ角度、顎のラインのボリュームの変化を評価しました。

結果は、顔の両側の治療で、4週目と8週目後に顔面のリフトアップ効果をみとめましたが、HIFU単独とHIFU+RFを比較しても効果の有意差はありませんでした

皮膚密度

皮膚スキャナーを使用して皮膚密度を評価したところ、治療直後、治療後4週間、8週間で両側の皮膚密度が有意に増加したことがわかりました。

左顔(HIFU単独)と右顔(HIFU+RF)を比較すると、4週間後には右頬の皮膚密度が有意に増加しましたが、8週間目にはこの差は有意ではありませんでした

結論と考察 〜併用治療で肌質改善に効果あり〜

顔の若返りのための美容施術は、レーザー、光を利用したデバイス、RFや超音波などの非光ベースの熱引き締めデバイスなど、過去10年間で急速に進化しました。

特に、HIFUは深層真皮層と浅筋腱膜系(SMAS)を収縮させ、標的のコラーゲン繊維をリモデリングし、その後、皮膚を引き締めてリフトアップします。

RFは電流(ラジオ波)を放出し、組織内分子の自然な電気抵抗により、熱エネルギーに変換されます。

RFで40°Cから48°Cに加熱すると、コラーゲン凝固が起こり真皮の収縮を誘発できます。

ある組織学的解析によると、RFは真皮乳頭層上部を含む広範囲にコラーゲン新生と弾性繊維新生を引き起こすのに対し、HIFUは真皮中層から深層に集中していることがわかりました。

HIFUは真皮中層・深層から最大6~7.8 mmまで、正確な深さで集中した微小熱損傷を生み出すことができますが、RFは真皮内から最大2~4 mmの深さまで均一な熱を届けることができます。

このことは、HIFUとRF2つのデバイスを組み合わせることで、異なる皮膚層に相乗効果を発揮する可能性があることを示しています。

本研究では、HIFU治療により、毛穴の容積と数、肌の弾力性、目のしわの深さ、目の周りのたるみの程度、ほうれい線と頬、顎のラインのボリューム、肌の密度、誘電率など、さまざまな肌のパラメータが大幅に改善したことが示されました。

これらの結果は以前の研究と一致しており、HIFUは真皮に影響するだけでなく、SMAS層にも到達しコラーゲン新生とエラスチン新生を誘発します。

それによって弾力性が高まり、密度が改善され、顔のリフトアップ効果が得られているのでしょう。

さらに、バイポーラRFとHIFU治療を組み合わせることで、毛穴の数が大幅に減少し、肌の弾力性が向上し、目のしわの深さが減少し、2.5mmの深さでTDCとして測定された肌の保水力が向上しました。

これらの知見は、バイポーラRFが、HIFUの対象領域よりも表面にある真皮乳頭層に拡散する熱効果を提供することで、肌の若返りを促すことを示唆しています。

ただ、たるみに関しては、HIFUのみで治療した左頬と、HIFU+RFで治療した右頬の間で、顔のリフトアップに有意なグループ間差は見られませんでした

このことから、顔のたるみの改善はHIFUのように皮膚の深い層をターゲットにすることで効果が出るものと考えられますが、

RFとの相乗効果を完全に理解するには、まだ潜在的な利点の理解が十分になされておらず、さらなる研究が必要です。

この研究の限界としては、本研究のフォローアップ期間は8週間と短く、長期的な効果を評価するにはさらなる研究が必要です。

また、対象者が韓国人成人に限られており、多様な人種や年齢層での検証が求められます。今後も新しい研究の報告を期待しましょう。

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